犬・猫、動物
クラシマヒサユキ

この怖い話は約 6 分で読めます。

ひさゆき?ヒサルキ?
そういうのがネットの都市伝説っぽくなってるみたいですね。
私も昔の記憶の中にその名前覚えがあります。

動物好きな人には不快な話。飛ばしてください。

886 885-2 sage 2011/03/27(日) 02:23:57.93 ID:wF+rFQBE0
私の家では昔から猫を飼っているのですが、そろそろ避妊手術を、と思っていたメス猫が、
家出をしてしまって、帰っては来たのですが、妊娠してしまいました。
それで仔猫が生まれて、私と弟は必死になって貰い手を捜したんです。
小学校の生徒に学年構わず猫いらない?って聞きまくりました。

そして6匹生まれた仔猫は、だんだんと貰い手がつきました。
子供全部もらわれるのは母猫がかわいそう、ってことで、
一匹だけ家で飼うことになったんです。
子猫たちもおっぱいからご飯になって、トイレも自分で出来るようになって、
いよいよ一匹二匹と貰われていき、うちで飼う事になった一匹除く、
オスメスきょうだいの仔猫二匹も、
ある日、急にお迎えが来ました。
猫を迎えに来たのは見知らぬ男の子でした。その時間、家には私と弟だけでした。
「Aが貰ってこいといった」と彼はやってきました。

887 885-3 sage 2011/03/27(日) 02:24:53.83 ID:wF+rFQBE0
たぶん5年生くらい。私が6年で弟が4年、どちらとも同級生では無かったので、
それより上にも下にも見えない、だからAさんの5年生の弟なんだ、そう思ったんです。
Aさんとは同級生でしたが、普段あまり話したことはなく、
その弟が説明もなしに私の自宅まで急に来たので、
よく家がわかったなぁ、と不思議には思いましたが、その時はそれだけでした。

男の子は仔猫を見て、うれしそうでもなく箱に入れて帰りました。
すごく嫌な感じがしました。

翌日。
学校へ行った私は、Aさんに猫の事を聞いてみました。「どうしてる?」って感じで。
するとAさんは、何故か私を避けるように、適当な返事をして何処かへ行ってしまいました。
それから話しづらくて、何週間か経ってしまいました。
せっかく猫もらってくれたのに、変だなぁ、可愛がってもらってるのかな?
と、とても気になりました。

そのころ、私は持病があって、
週に2回病院に行く為学校を抜けて母と街を歩いていました。
ある日、クリニックに近い繁華街を歩いていると母が、
「あ、Aちゃんいるよ。学校どうしたんだろう」と言いました。
見ると、Aさんと、あの男の子が歩いていました。
男の子が先になってどんどん歩いて、Aさんはしょんぼりと歩いていました。
その男の子が振り返って、Aさんの頭を殴りました。
私の母の顔色が変わって、Aさん達のところに駆け寄ると、
「あなた、何してるの?この子叩いて。Aちゃん今日学校どうしたの?」
などと問い詰めました。
男の子は、びっくりするような声で、ババァ、とか殺すみたいな捨て台詞で、
逃げていってしまいました。
Aさんは泣いてるし、何か事情ありそうだし、無理に家に連れて帰るのも、と、
私たちは3人で、近くの喫茶店に入りました。

888 885-4 sage 2011/03/27(日) 02:25:38.27 ID:wF+rFQBE0
「あの人だれなの?どうして一緒だったの?」
Aさんは、下を向いて何もいわないので、
「あの子はAさんの弟だよ。」と代わりに私が答えました。
すると母はすごい目で私を睨んで、
「バカなこと言うんじゃないの。あの人は大人の男の人でしょう」
びっくりしたのは私のほうでした。母なにいってるんだろう?と思いました。
「Aさん、あの子は弟だよね、猫とりに来たもんね。」
すると母は、なにアンタも知ってる人だったの?なんなのあの人?説明しなさい!
とか怒り出しました。
Aさんは、私の母に一緒にトイレに行って欲しい、と言いました。
泣いてばかりなので仕方なくAさんと連れ立って母はトイレに行きました。

随分長く、二人は帰ってきませんでした。
私も不安になり、もう限界だーっと思った頃、母とAさんは席に戻って来ました。
Aさんも母も青い顔をして、何も話さず、店を出て、
家に帰るのかと思ったら、私だけ家に置かれ、母とAさんは何処かへ行ってしまいました。

母が帰ってきて、私はAさんのことを尋ねました。
「あの人は親戚なんだって、一緒に住んでいるらしい。でもおかしな人だから、
あんたは絶対関わっちゃダメ」と言いました。
「何年生?」と聞くと、
「だから子供じゃないって言ってるでしょ!」と怒り出し、私はそれ以上何かを聞く事は出来ませんでした。

890 885-5 sage 2011/03/27(日) 02:26:47.15 ID:wF+rFQBE0
そのことがあってすぐ、ある朝、うちの玄関に、仔猫の首が置いてありました。
見覚えのある、あの男の子にあげた猫たちでした。
でも、うちにいた兄弟猫はもっと大きくなってる。
玄関に置かれた猫の首は、まだ小さく、貰われたときと変わらないほどでした。

両親は学校に電話したり、なにか相談しあったり、家の中がおかしな空気になりました。
そんな時、弟が、
「おれ【ひさゆき】と話した」
と言い出しました。 ひさゆき、それがあの男の子の名前でした。
「どこで?」「学校で」
ひさゆきは、あの猫たちは私たち姉弟の身代わりになったといった、
本当は私たちが事故で死ぬ筈だった、助けるには、なにか一番大切なものを壊さなければいけないといった
弟はそう話し、なにかすっかり【ひさゆき】が好きになってしまったようでした。

私はもう6年だったし、それが異常な話なのはわかりました。
学校を休みがちになったAさんを見かけ、無理やり話しかけました。
「あの子は本当は子供じゃないの?なんなの?」とかそんなことを。
すると、「ひさゆきは子供じゃない、ひさゆきはひさゆきで、私とも関係ない」
急に怒り出し、私は突き飛ばされて叩かれて、喧嘩みたくなってしまって終わりました。
そしてそれから、今に至るまでAさんとは会っていない。
家族みんな引っ越した、とか、精神病院にはいっている とか、
不穏な噂が学年で流れ、「ひさゆきに連れて行かれた」という学校の七不思議みたいな感じになりました。

891 885-6 sage 2011/03/27(日) 02:27:45.26 ID:wF+rFQBE0
それでそのあとは、そんな話はすっかり忘れていました。
可愛そうな猫たちの事は時々思い出しましたが、今となっては本当に私たちの猫だったのかも不確かです。
ネットで「ひさゆき・ヒサルキ」の話題がチラチラしだし、昔の不気味な思い出が蘇りました。
最近になって母に、あのときの事を聞いてみました。
Aさんから何か話を聞いたのかとか。

母がAさんから聞いた話は、
【ひさゆき】はAさんの親戚とかではなく、暴力を振るわれている。
(どんな種類の暴力だったのかは、母の口ぶりで察しました)
心配した母は、学校に相談したり、Aさんの家庭に介入したりしたのですが、
何ら出来ることなく、Aさん一家はいなくなってしまったのだとか。

「あの子は、私たちには子供に見えていたけれど、お母さんは変だと思ったの?」
そう聞くと、
「どう見ても子供じゃなかったよ、体は非常に小柄だったけれど」
母にしてみれば変質者とかその類に見えていたと。

【ひさゆき】が学校で話題になっていた頃、ひさゆきと遊んだ子はちょっと自慢、
一過性だったけど、半年くらい、「ひさゆきブーム」みたいのがありました。
クラシマヒサユキ それが私の知っていた子のフルネームでした。

これでおわりです。

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