心霊良い話
手を引っ張るモノ

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イイハナシスレからコピペ

私の母方の実家は、ある山のふもとの温泉街にあります。
そこから歩いてすぐの山は、湯治客のためにとハイキングコースとして道が敷かれ、
子供一人でも難なく行けるくらいの緩やかさなのですが、
その道を少しそれるとそこは舗装もされていない、
道と呼ぶのもためらうような山道ケモノ道が森の奥深くまで続いているのです。
そこが祖母の家へ泊りがけで来ている間、当時小学二年生だった私の遊び場でした。
ある日、私が川の流れる谷沿いを歩いていると、道の脇に古びた祠がぽつんとひとつありました。
伸び放題の草木に絡まれ今にも朽ち果てそうな有様でしたが、
祠の中には小さなお地蔵様が一体、鎮座しています。
苔にまみれたみすぼらしいなりではありましたが、私はお財布から小銭を一枚とり出し、
お地蔵様の足元に置きました。
当時の私は特に信心深いというわけでもなく、
ただ『お賽銭をお供えする』という行為そのものが面白かったのだと思います。
その時もお賽銭だけお供えすると、手を合わすこともせず早々に立ち去ろうとしました。
すると不意に誰かに手を掴まれたのです。
いえ、正確には手を掴まれて後ろに引っ張られたような気がしました。
そう、そんな気がしただけです。だって、この場には私以外、誰一人としていないのですから。

その後、ふもとの家まで戻った私は玄関前で鉢合わせた祖父は無視して、
台所で晩御飯の準備をしている祖母に、ふと気になった山の中の祠について尋ねてみました。
というのもあの祠のある辺りにはあまり近付かないようにと、普段から言い聞かされていたからです。
厳しい祖父にそのことを話せば、きっと祠の話の代わりにお説教を聞かされることでしょう。
その点、祖母は山へ入ったことを咎めるでもなく、けらけらと笑って祠の由来を教えてくれました。

673 2/12 sage New! 2009/10/05(月) 16:13:35 ID:9IzgCcHu0
昔、と言っても遠い昔のことではなく、戦後すぐくらいの頃。
まだろくに道も整備されていない山の中で、一人の女の子が行方不明になりました。
ふもとの町では大人たちが集められ、山狩りまで行われましたが、
結局女の子は見つからなかったのだそうです。
この地方には古くから山神様の言い伝えがあり、町の人たちは
「あの子は神様に連れて行かれて、あの山の山神様になったんだよ。
きっと、これから私たちのことを守ってくれる」
と、女の子の両親を慰めたのだそうです。
しかしそれからしばらくたった後。再び山で、今度は男の子が二人、行方不明になったのだそうです。

その内一人は無事に山を下り、もう一人は谷底の川に流されて、ずっと下流で遺体となって発見されました。
助かった子から話を聞くと、山で道に迷い崖近くを歩いている時、誰かに腕を引っ張られたと言うのです。
幸い、彼は谷とは見当違いの方へと引っ張られました。
けれどその時、一瞬だけ見えたもう一人の子の姿は、まるで彼も見えない誰かに引っ張られたような、
とても不自然な様子だったのだそうです。
警察はもちろん、そんなことはありえないと言い、きっと前の日まで続いた雨で地面が緩くなっていて、
なにかの拍子にくずれたのだろう。そう結論付けました。
けれど町の人は違いました。なぜなら助かった男の子の右手首には、
手の形をしたアザがくっきりと残されていたからです。
まるで誰かに掴まれたような……。

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