時間・空間
きよみちゃん

この怖い話は約 5 分で読めます。

私が小学校三年生位の時の話です。
そのころ、とても仲よしだった、
きよみちゃんという女の子が、クラスにいました。
彼女と私は、毎日のように学校が終わると、
お互いの家を行き来しては、ふたりで遊んでいました。
その日は、彼女の家の台所のキッチンテーブルで、
ふたりでドラえもんを読んでいました。
その内容は、ドラえもんが、のび太に切抜き絵本
のようなものを出してあげます。
それには、ケーキやおかし、車など色々なものがあり
切り抜いて組み立てると、本物のように、
食べれたり、乗れたりするというものでした。
きよみちゃんと私は早速、
「おもしろい!まねしてみようよ!」
と、画用紙や、ハサミ、色鉛筆を持ち出しました。
もちろん本物になることなどありえないと、
理解できる年齢でしたが、とても楽しかった
のを覚えています。
そして、日も暮れかかり、私が家に帰らなければ
いけない時間になりました。

270 コピペ2 sage 2005/09/20(火) 13:39:56 ID:F9eswroM0

109 名前: & ◆tHsziLno 投稿日: 02/08/20 02:02

きよみちゃんは、いつもそうするように、
玄関の外まで、私を見送りました。
そのとき、きよみちゃんが言いました。
「ぶるぶるちゃん。今日のこと、
大人になっても忘れないで」
私はきよみちゃんが、いきなり変なことを
言うのには慣れていたのですが、
そのときは、彼女の様子がいつもと違うので、
なんでー?と聞き返しました。
今こうしてふりかえると、確かにあの日の
きよみちゃんは、いつもと雰囲気が違ったような
気がします。

110 名前: & ◆tHsziLno 投稿日: 02/08/20 02:03

きよみちゃんは続けました。
「今日の私、32才の私なんだ」
ますます私には、訳が分かりません。
でも彼女は続けます。
「2002年だよ。32才。ぶるぶるちゃんのこと
思い出してたら、心だけが子供の私に飛んでっちゃった」
はっきりいって、聡明とはほど遠かった(今もね)
子供の私は、なんだかわからないけど、
2002年と行ったら、超未来で、車なんか空飛んでたりする、
という考えしかないくらい遠い遠い未来。

271 コピペ3 sage 2005/09/20(火) 13:40:39 ID:F9eswroM0

111 名前: ぶるぶる 投稿日: 02/08/20 02:04

「ふーん。ドラえもんの未来からかー!」
なんて、ばかな受け答えしかできませんでした。
きよみちゃんは、そんな私を笑いながら、
「それが全然!マンガの世界とはちがうよー」
と言いました。
そして、私ときよみちゃんは、また明日遊ぶ
約束をして、別れました。
今考えると、なんであのときもっと問い詰めなかったんだろう
と後悔しますが、なんせ子供だったし、
きよみちゃんも私と同様、ドラえもんの影響で、
ふたりでよくSFチックなことを、夢見ていたので、
別にきよみちゃんが私に言ったことが、
そんなに変とも思わなかった。

112 名前: & ◆i.GDT3f. 投稿日: 02/08/20 02:05

翌朝、学校に行くと、いつものように
きよみちゃんが私に、話しかけてきます。
まるっきり、いつものきよみちゃんでした。
そして、私もまた、きよみちゃんが私に
言ったことなど、すっかり忘れて、
そのまま毎日が過ぎて行きました。
そして、私たちは5年生になり、それと同時に
私は地方へ引っ越すことになりました。
そしてそのまま、きよみちゃんと、二度と
会うことはありませんでした。

272 コピペ4 sage 2005/09/20(火) 13:41:38 ID:F9eswroM0

114 名前: ぶるぶる 投稿日: 02/08/20 02:06

今年、2002年。私は32才になりました。
そしてハッとします。
あの日のきよみちゃんの言葉を思い出して。
もしかして、もしかして、もしかして..と。
私はその後も、引っ越しを繰り返し、
今では海外在住です。
きよみちゃんを探したいのですが、
結婚してれば名字も変わっているだろうし、
どうやって見つけられるか。
あの頃の私は、片親だったので
(当時はまだ珍しく、世間からは白い目で
見られがちだった)、
「ぶるぶるちゃんと遊んじゃだめよ。片親なんだから」
と、思いっきりよその子供の親が、
私の目の前で言うなんてことも、珍しくなかったし、
大嫌いだった先生にも、
「片親だからね。目つきも悪くなるんだろう」
と言われたこともあった。

273 コピペ5 sage 2005/09/20(火) 13:42:15 ID:F9eswroM0
115 名前: & ◆i.GDT3f. 投稿日: 02/08/20 02:07

ごめん省略されちゃった。
大嫌いだった先生にも、
「片親だからね。目つきも悪くなるんだろう」
と言われたこともあった。
そんな中、きよみちゃんだけが、私の友だちで、
子供時代の唯一の理解者であったと思う。
会いたいと思う気持ちがそうさせたのか、
2週間ほど前に、”あの日”の夢を見た。
あの日と同じ、きよみちゃんのおうちの台所。
イッチンテーブルいっぱいに、画用紙と色鉛筆。
私が自分の家から持ってきた、コロコロコミック
が二冊置いてある。

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