洒落怖
トンネルの中の彫刻

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DQNの川流れがあった神奈川県の玄倉川は
上流に向かって、両側を峡谷に挟まれた林道が1本伸びている。
その道は川流れがあった付近から奥(上流川)は一般車通行禁止になっていて、
ほとんど人に会うことはない。
ロッジまでの間に素堀りのトンネルがいくつもあるが、中には照明がなく、
道が曲がっているトンネルは、懐中電灯が無いと真っ暗で歩くことが出来ない。

で、俺はこの道を、地形調査のため、一人で歩いていた。
奥のユーシンロッジまで10キロ。
うるさい登山客にも会わないし、天気も快晴で快調だった。

トンネルをいくつか抜け、一番長いと言われている青崩隧道(トンネル)に到着、
このトンネルは、入口から大きく左にカーブしているので、出口が見えず、
入口はパックリと深い闇が待っているだけで、洞窟のような様相を呈している。
俺はヘッドライトの電源を入れ、トンネルに入った。

879 名前: 本当にあった怖い名無し 2006/08/17(木) 18:39:57 ID:C7i9w8Si0
トンネルの中はヘッドライトでも心細いほど真っ暗で、しかも距離も長い。
自然と早足になった。が、途中でヘッドライトが消えてしまった。
電池と豆球は出発の時に交換したし、切れるわけがない。
真っ暗になって焦ってしまい、ライトを頭から外そうとゴムを引っ張ったときに
手がすべって床に落ちてしまった。
当然探せる明るさではない。
出口と入口のカーブの中間あたりなのか、どっちの光も入ってこない。
焦って手で探り始めたがみつからず泣きそうになってきたころ、
急にちょっと離れた床に落ちていたライトがついた。
何でついたのかわからないが、とにかくほっとして近づく。
ライトはトンネルの天井に向かって光を放っていた。

拾うときに腰をかがめ、起きるときにライトに照らされた天井をふと見上げた。
そこには、素堀りの天井…があるはずが、何か人工的な彫刻を施されているように見える。
ライトを振って観察してみると…観音様…ちがう…
何メートルにもわたる超巨大な仏像みたいなものが天井に掘ってあった。
ライトに照らされた、目が開いたままの顔が不気味で、恐怖で膝がわらいはじめた。
走ってトンネルを抜け、早く人に会いたくて、ロッジまでほぼ駆け足で登った。

ロッジの釣り客にその話をしたら、
長年、あそこを通っているが、そんな話は聞いたことがない。
見間違えたんだろうと言われたが、腑に落ちていない。

ちなみに、そのトンネルは今年の夏から工事が始まった。
素堀りの無照明は危険なので改修するのかもしれない。
まだ通行可能な時間があるみたいなので、気になる人は確認してほしい。

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