夢・不思議

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久しぶりにストーリー性のある夢を見ました…まあ、そこは夢なんで多少場面が飛んでたり不条理なところはあったりするんですが。

 真っ白な空が狭い公園をのっぺりと浮き上がらせていた。ここは知っている。うちの目の前の公園だ。
私は誰か男の子の手を引いて談笑する母親たちに話しかけている。
―よかったらお子さんのお世話をしましょうか?
 私はそんなことを口走っていた。母親たちは困ったように笑って大丈夫です、というようなことを言っていたと思う。
 男の子が私の手を振り払って他の子供たちのところに走り去り、私は一人の母親と向き合っていた。
 私の息子があなたと遊びたいと、今日の午後3時に向こうの貯水池の広場で待ち合わせしようと言っていますが、よろしいでしょうか?
 私は承諾して、夢の中で眠りについた。

237 夢 2007/07/15(日) 14:52:06 ID:VkpKYIIu0

 はっと目を覚まし、暫時焦る。寝過ごしてしまっただろうか。待ち合わせは何時だったか。
家のソファから跳ね起きて鳴り響く携帯を開いた。差出人は見えなかったが、多分あの男の子だろう。
<――四角っぽくて黒いのと、茶色いの、あと形違いで黒いの。どれがいい?>
 服がどれがいいか、私に選ばせたいようだ。かわいいことをする、と微笑ましく思いながら、何気なく選んだ一番初めのもので、と送り返した。
 ふと時計を見る。待ち合わせは何時だったか。
記憶にあったはずのそれが綺麗に消えていて、昼過ぎだったとも夕方だったとも思えてくる。
 
唐突に、メールが届いた。あの男の子かもしれない。焦って携帯を開いてみれば、そこに異様な画面が映っていた。
 青黒い背景に赤く、溶けたような手書き文字がぼんやりと浮かぶ。
一昔前の下手なホラー漫画のアオリ文のようなフォントで文章は綴られていった。
<息子は……燃……行っては…………なん………だ>
 浮かんでは消え、暗転する画面のせいでその文章はほとんど読み取れない。
不思議と恐怖は感じなかったが、奇妙な焦燥感が湧き上がった。
―あの母親が、危ないかもしれない。先にそっちに行ってみる。何か知ってるかも。
 焦燥感の元はこれではない気がしたが、直接待ち合わせ場所に行く勇気もなかった。
嫌な予感が脳裏をかすめたが、気づかないふりをして荷物の準備をする。

 と、唐突に姉が腕を掴み動きを制限する。驚いて見るとなにやらにやにやして、こちらの邪魔をしてくる。
子供の悪ふざけのような稚拙な所作に、次第に苛立ちが溜まっていった。
―じゃますんなってんだよ!!!
 殺意すら覚えながらバッグに必要なものを詰めていく。何を持っていけばいいんだっけ。
あれ、さっきはこっちのバッグに全部入れておかなかっただろうか。混乱する頭が視野を狭めて思考力を奪う。
 既に時計は18時を回っている。約束の時間は15時。
さっきまで明るかった外は暗幕でも張っているかのように黒く沈んでいた。
 玄関の電灯の火も外を照らせない。気でも違ったかのような姉を押しのけて、私は外へ飛び出した。

238 夢 2007/07/15(日) 14:52:48 ID:VkpKYIIu0

 遠くに暖かな、しかし現実味のない光の帯がぼんやりと浮かび、手前には柵がぐるりと伸びている。
この柵の中に入るには少し迂回しなくてはならない。
その迂回の過程であの母親の家の前を通るはずなのだが、何故か気がついたときには祭りの喧騒の中にいた。

 道自体が光っているかのように明るい通り。暗闇の中にそこだけが浮かび上がり、星も見えない。
行き交う人々はまばらであったが、皆浴衣を着て楽しそうな様子だった。
 私の傍には友人が3人。少し離れて青い浴衣のおじさんが一人。
私は取り留めの無い話をしながらのんびりと下駄の感触を楽しんでいた。
 と、友人の一人が何かを指差した。
「あれは?なんだろう…」

 ガラス張りの小さな店。ショーウィンドウと思しき空間にはさらに小さなガラスの箱に入った人形が全部で5体、こちらに背を向けて並んでいる。
 お客を呼ぶためなら、こちらに顔を向けておくべきだと思うが…
「あの人形は、顔が潰れているんだ」
 おじさんはこともなげに言った。皆は納得したように息を吐いて、その人形に見入っている。
 私はただじっとおじさんを見ていた。背が高くて顔がよく見えない。私は唐突に気づいた。

239 夢 2007/07/15(日) 14:53:37 ID:VkpKYIIu0

―あなたは…
「○○(男の子の名前)が、身体を倒したせいで私は顔を潰してしまったんだ」
 脳裏に奇妙な映像が浮かぶ。疾走する自転車。私の視点は多分右ハンドルの上あたり。
後ろの荷台から子供が身を乗り出して…
 はっと見上げると、おじさんは奇妙な面をかぶっていた。
 夜店で売ってなどいない、能の面とロボットを足したような形。歩き出すのにつられて、私も歩を進めた。
友人たちはついてこない。
「祖父は顔を戻してもらう代わりに―――た。だからあんなことに……」
 白黒写真が視界に浮かぶ。快活そうなお爺さんが面を外して…
 遠くから祭りの灯が消えていく。軒を連ねていた店は既に一つも無い。平坦な山道。傾斜のついた芝生。
隣には奇妙な面の男。それも徐々に黒く塗りつぶされて―――

私は目を覚ました。

ここで終わりです。長文失礼。
次に寝たら、続きが見られるのだろうか…

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