後味の悪い話
野原みさえ

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クレヨンしんちゃんの初期作品にあった話
専業主婦野原みさえは息子、しんのすけと一緒にいつもの様に銀行へ生活費を下ろしに行く。
通帳の明細が一瞬だけ表示され、残高はほぼゼロ。みさえは今月分の給料、30万円全額を引き出した。
「今日はしんちゃんの好きなもの作ってあげるわね」上機嫌にみさえは銀行を飛び出し、スーパーに向かった。
買い物かご一杯に商品を詰め込んで、レジに持っていく。「1XXXX円になります。」店員に金額を提示され、お金を取り出そうとするみさえ

だが、見当たらない。カバンの中、ポケットの中をくまなく探したがお金は出てこなかった。
顔面蒼白になったみさえは銀行へ戻り、周辺を捜索したが矢張り見つからない。
警察に届け出るが、巡査に「こういうものは大抵見つからない」と言われ、更に落ち込んでしまう。
あろうことか彼女は5歳になる息子に疑いの目を向ける。今回は全く咎を受ける事をしていないのに鬼の形相になる母親に萎縮するしんのすけ
そうこうしている内に主人、ひろしが帰ってくる。いつもと違う妻の様子に驚くひろし。
みさえは理由を告げ、どんな罰でも受けると謝罪する。ひろしはみさえの予想に反し、怒らなかった。
「なんだ、そんな事か。オレはお前としんのすけさえ無事なら他に何もいらないよ」夫の優しい言葉に胸を打たれ、泣き崩れるみさえ。

ここで切りよく話は終わるのだが、CM後にこの続きが始まる。
翌朝、ひろしが目を覚まし朝食はどこにあるのかと尋ねる。みさえは「そこのパンの耳でも食べといて」と冷たく言い放つ。
「は?」ひろしは呆気にとられる。みさえは続いて「あぁ、あなたの今月のお小遣い、1万円減らすからね」と一方的な通告。
「おい、ふざけんなよ。元はと言えばお前が給料落としたからこうなるんだろ?」半ばキレ気味にひろしは正論を言う。
「そうよね…私が給料を落とさなければこんなことにはならなかったの…」みさえは悲しいBGMをバックに泣き崩れる。
「あぁ、すまなかった。わかった、今月は小遣い減らしていいから」折れるひろし。
それを聞くや否や嘘泣きをやめ、サッパリとした声で、「じゃあ、晩酌のビールもなしね」と他人事のように追加条件を提案。
死人のような顔をしてひろしは出勤。自身はいつもと変わらない生活に戻る…
因みに張本人の自身に対する罰は“月一で買っている通販やデパートの服を買わない”と言うことだけ。
前半だけで終わっていれば美談だったのに…

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